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#このラジオがヤバい | NHK・民放連共同ラジオキャンペーン

あの人が語る #このラジオがヤバい

Da-iCE

工藤 大輝

「ラジオを聴いてきたことが武器」Da-iCE工藤大輝が語るアイドル論

ラジオ収録直前。Da-iCEのリーダー兼パフォーマー、工藤大輝(くどうたいき)が待つブースへ足を踏み入れた。
5人組ダンスボーカルグループ・Da-iCEは、2017年に武道館公演を成功に収めるなど、躍進を続ける人気グループだ。今年はベストアルバムのリリースに加え、それを引っさげてのツアーも決定。勢いは増すばかりだが、工藤の物腰は日々ファンからのアイドル視を一身に受けているとは思えない、地に足ついたものだった。
そんな工藤がレギュラーとして担当する、TBSラジオ『TALK ABOUT』(土曜日22:00時〜放送中)の収録直前にインタビューを実施。ときに泥水をすすりながらもアーティストとしての志を貫く彼に、自身の活動とラジオの魅力を語ってもらった。通り一遍のアイドル的なまばゆさとは異なる不思議な魅力の理由とは?

武道館に立っても、Da-iCEは調子に乗れない

Da-iCEは結成8年目、昨年は武道館での公演も果たしましたが、普段はみなさんどういう関係性なのでしょうか?

仲はすごくいいですよ。Da-iCEはほぼ全員が成人してから組んだグループなので、最初から大人同士の付き合いなんです。

そういうダンスボーカルグループは少ないかもしれません。

中学生や高校生の頃に組んでたら、もしかしたら殴り合いのケンカとかしてたかもしれないですけど、うちはお互いのいいところ悪いところを理解した上で付き合ってるというか。

今年はベストアルバムの発表が決まり、工藤さん個人としても昨年からラジオパーソナリティを始められて、手応えを感じられているのでは?

いやあ……どうかな。ラジオをやらせてもらっているのも「何かの間違いなんじゃないか」くらいに思ってるところがあるんですよ。

不思議です。なぜそんなに謙虚なんですか?

これまで泥水すすってボロボロになりながら進んできたので。それに、事務所の先輩のAAAさんがものすごくスケールの大きなことをやっているので、自分たちなんか全然まだまだって思っちゃいます。

あと、あんまり表立って言わないですけど、グループ自体のリミットというか、いつまでやれるんだろうなというのも常に意識はしてますし。

メンバー同士でも「これからについて」といったような話をよくされるんですか?

しないですね。でも、必要もないんです。こういうことをわざわざ言葉にしなくても共有できてるのがうちのいいところなので。意識の面ですれ違ったり、事故ったりしたことはないですね。

各メンバーの個人のお仕事という点で、ラジオのレギュラー番組は、工藤さんにとってどんな存在でしょうか?

僕自身がラジオを日常的に聴いてきたので、特別な存在というか。とにかく、いいパーソナリティになりたいです。

ラジオの原体験はアイドルファンとして

リスナーとしては、普段どんな番組をお聴きになるんでしょうか。

そうですね、星野源さんの番組やバナナマンさんの『JUNK』をよく聴いています。

一番最初に聴いたのは、中学生の頃、松浦亜弥さんの番組だったと思います。子供の頃からアイドルが好きで。受験生だったので、MDに録音して数えられないくらい繰り返し聴きながら勉強してました。

あとは、『SCHOOL OF LOCK!』の『Perfume LOCKS!』も熱心に聴いていました。Perfumeさんがかなり初期から大好きで。

初期というと、作詞担当が中田ヤスタカさんになる前、木の子さんが担当されていた頃ですね。

そうですそうです!『ビタミンドロップ』とか。新曲の初オンエアをラジオでやるときなんかは、ラジオに張りつくようにして聴いていましたね。

テレビCMではどうしても数秒しか聴けないので、真っ先にオンエアされたフルヴァージョンを聴いている時間がとにかく幸せで。

他にはどんな思い出がありますか?

例えば松浦さんのラジオを聴いたときなんかもそうですけど、まず「うわあ、喋ってる!」って思ったんですよ。

もちろんテレビでも喋ってはいますけど、司会者のかたから順番に話を振られて答えて、という感じではなく、主体的に自分一人で喋り続けてくれるのがうれしくって。

リスナーからのメールや電話に答えたりもするので、「会話してるじゃん!」って、さらに衝撃でした。そういう人間らしい一面が知られるのがいいんですよね。

ちなみに工藤さんは、ライブとラジオだと、どっちが自分の素の姿だと思いますか?

完全にラジオですね。ファンの子たちもわかってくれてると思うんですけど。ラジオでは素の部分が出やすい。

あとはけっこう「テレビの裏側」の話ができるのも楽しいところですよね。

例えば僕の番組『TALK ABOUT』にゲストでアイドルの子が来たときに、「あの日、テレビではあんな感じに映ってたけど、本当はこうだったんじゃない?」って話を振ってみると、「実は…」って返ってきたりとか。

そういうところに気付いていい話が訊けたときは、ラジオやっててよかったなと思いますね。子供の頃からラジオを聴いてきたので、「こういう話を引き出せば喜んでもらえるな」って気付けるし、それができるとうれしいんです。

理想のパーソナリティは星野源。その理由は?

工藤さんの理想とするラジオパーソナリティ像ってどんなものでしょうか?

星野源さんですね。星野さんって、まじめな話はもちろん、下ネタもバンバン言うじゃないですか。

僕らみたいなダンスボーカルグループってやっぱり、アイドルとして扱ってもらうこともありますし、綺麗でいないといけないというか。どうしてもあるんですけど、そういう枠組みをなるべくぶっ壊していきたいって思ってるんですよ。

そうなんですね。意外かもしれません。

番組では下ネタも言うし、昔の恋人の話とかもするんですけど、今は僕、まだ「Da-iCEぶってる」っていうか。出しきれてない気がします。

……Da-iCEのリーダーですよね?

(笑) そうなんですけど、僕という個人よりも、Da-iCEというグループのイメージの比率が高いというか。今後はもうちょっと僕自身に寄っていって、より無責任になっていくかもしれません。(笑)

それに、元々Da-iCEってダンスボーカルグループらしくない部分を持っているので、そういう面は出していきたいですね。

ダンスボーカルグループらしくない面というと?

「夢は絶対叶うよ!」みたいなことを言わないところです。例えばメールをくれたリスナーが叶わない夢を見ているな、と思ったら率直にそう言います。うちはそういうキラキラしてるだけじゃないところを見せるグループだと思ってるんです。

アウェイな現場もたくさん経験してきて、逆境を受け入れて楽しむ姿勢が身についたのかもしれません。

アウェイというと、どんな現場でしょうか?

ニコニコ超会議でのライブなんかはそうですね。僕らを見にきてくれたお客さんがほとんどいなくて、みんな次の出番のでんぱ組.incさんを待ってるわけです(笑)。 でも、開き直って「何色でもいいからサイリウム振ってくれ!」とか呼びかけたりしてやりきりました。そういうトラブルシューティング能力は培ってきましたね。

まさしく、叩き上げですね。

そうなんです(笑)。

ラジオは音楽活動に活きている

先ほど松浦亜弥さんやPerfumeさんの名前が上がりましたが、昔からそういったポップな音楽が好きでしたか?

そうですね、小学生時代からずっと、男女問わずアイドルが好きでした。それ以上に、その後ろにいるプロデューサーさんや作曲家さんに興味が強くて、CDのクレジットを熟読する子供だったんですよ。「あ、この曲もあのプロデューサーさんだな」って。だから、そういう制作の裏話が聴けるところもラジオを好きな理由の1つでした。

そういった視点は、セルフプロデュースにも活きてくることがあるんじゃないでしょうか。

かなりありますね。子供の頃ラジオで得た知識が発想の下地になっています。

それに、これまでのアイドルって、与えられた曲を歌い踊っている人というか、本人は制作に関わらないイメージがあったと思うんですけど、最近は僕ら含め、自ら作詞作曲する人も増えていて。

今は自分の言葉で発信してる人が受け入れられやすい時代ですし、アイドルなのかアーティストなのかっていう境界線自体が徐々に機能しなくなってきてるんじゃないかと。

だからこそ、子供の頃からラジオで音楽に触れ続けてきたことが武器になっていると思います。

工藤さん自身が子供の頃にラジオで音楽制作の裏話に惹かれたように、Da-iCEの制作秘話を待っているリスナーがたくさんいると思います。

曲もグッズも自分たちでつくっているし、今年もいろいろと準備しているので、裏側の話は折に触れて話題に出したいと思ってます。昨年よりもいいものを作りたいですね!

今後もDa-iCEはセルフプロデュースを続けていくし、僕個人としてもチャレンジを続けていくので、境界線をどんどん超えていけたら。

編集:長嶋太陽
執筆:渡辺紺
撮影:高比良美樹